作品鑑賞のマナーとお願い

このところ、ギャラリー内でのお客様の行動にヒヤッとする事が度々あったので、お願いの意味を込めて鑑賞時のマナーについて少し書かせていただきます。

基本的には「作品に触らない」「大声で騒がない」「飲食をしない」といった常識的なことですが、コーヒーを片手に入って来られるお客様や、なかにはお酒に酔って壁にぶつかりながら歩くお客様も。これは論外で、ギャラリーでなくともNGです。

多くのお客様が無意識にやってしまうのが、不注意に作品に顔を近づけすぎる行為です。色や筆致を近くでご覧になりたいのだと思いますが、ここでいくつか問題が生じます。
1つは、キャップをかぶっているのにそのまま近づき作品にツバを当ててしまうことです。額装された作品であればまだ良いのですが、キャンバスのまま鑑賞頂く作品の場合には作品を傷つけてしまいます。
2つ目は、顔を近つけたまま大きな声で話すことです。こちらもキャンバスのままの作品の場合は、唾がかかったり、不意に咳やくしゃみなどがでた場合には作品を汚してしまいます。美術館やギャラリーに行くと、ハンカチを口に当てて作品鑑賞している人が時々いらっしゃいますが、こういう人を見ると「わかってるなぁ」と感心します。

リュックを背負ったまま鑑賞するのも控えた方が賢明です。立体作品もありますし、壁際で振り返るとリュックが作品に当たってしまいます。美術館やアートフェアではリュックや大きなカバンの持ち込みを禁止しているケースが多いのは、こういった理由からです。前で抱えるか、ギャラリーの人に預かってもらいましょう。

基本的にはギャラリーは気楽に無料で作品鑑賞できる場所ですが、展示してある作品は高額なものも多いです。1点ものの作品の場合には替えがききません。作家さんも一所懸命描いた作品ですので「作品を傷つけない」ことに注意して鑑賞を楽しんで頂けたらと思います。